恩納村 歴史を探る旅 | (後編:真栄田一里塚〜フェーレー岩〜山田集落) |
真栄田の一里塚 | |
「いい正月でーびる」と書かれた交差点を左に進んですぐの所に、真栄田一里塚に行けると思われる山道の入口があります。この道はiPadの地図には載っていません。日頃、溢れるばかりの情報と文明の利器に依存している私にとって、正確な情報の無いことがこんなにも不安なものかと改めて感じさせられました。 草で覆われた山道を恐る恐る歩くこと10分余り、御待毛(ウマチモウ)という案内板が見つかりました。毛(モウ)とは広場あるいは原っぱという意味ですから、街道を通る役人を御待ちしていた広場ということになります。景勝地として有名な「万座毛」も、1万人が座れる程広い原っぱという意味で、ふさふさとした毛のように若草たなびく広大な草原がイメージされます。 そこから少し行くと、旅のスタート地点と考えていた「真栄田の一里塚」に到着しました。 15:48 考えていたより遅い時間です。それにも増して、ここまで来るのに恩納村紀行(後篇)まで引っ張るとは思いませんでした。ここは左右の視界が開け、非常に気持ちのよい場所です。昔の旅人が、ここらで休憩した様子が思い描かれます。 小休憩を終えたら、「仲泊一里塚」までの一里(4km)の旅の始まりです。ここから先は、視界の開けた心地よい一本道が続きます。 一帯は見晴らしのよい丘陵になっていて、進むにつれ雑木だった周辺もサトウキビ畑に変わり、恩納村の海岸線が遥か彼方まで見通せるようになりました。 |
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ずいぶん遠くに道の分岐の案内板があり、そこに何やら黒い影が! 近づいてみれば、なんとあの「ワンねーワンコでーびる」的イメージぴったりのワンちゃんです。カメラを向けると姿勢を正し、凛としたポーズをとってくれました。 雰囲気は、アンパンマンに出てくる自称天才科学者「ばいきんまん」とも被りますが、ばいきんまんのモチーフは蝿なので、根本的なところが違います。 この時期は、サトウキビの収穫期のようで、あちらこちらに刈り取ったサトウキビが束ねられていました。「小さい頃は、サトウキビをおやつがわりにかじったものさ〜!」というウチナーンチュ(沖縄人)の言葉を信じ、一本手にとっでかじってみようと試みましたが、こんなに堅い茎は食べられる訳がありません。 サトウキビは、カーボンニュートラルなエネルギー源とされるバイオエタノールの原料としても注目されてきましたが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の流れの中では、到底勝ち目がありません。畑を吹き抜けるザワワザワワといった爽やかな風の音も、サトウキビのすすり泣く声に聞こえてくることがあります。 心地良い小石の道もいつの間にかアスファルトに変わり、歩き始めて15分でフェーレー岩に着きました。フェーレーとは山賊で、追いはぎがよく出没したところなのだそうです。しかし今では、山賊が潜んでいそうな気配はまるでありません。 |
さらに歩くと「国頭方西街道」の案内板、これを信じて薄暗い細い小道を抜けると旧国道58号に出てきます。ここが山田集落で、近くのテーマパーク琉球村からは、三線(さんしん)の音が漏れてきます。 山田集落を横切ると国道58号バイパス線にぶつかり、そこから奥が山田グスクです。 山田グスクは草木生い茂るいまだ未開のグスクで、一度や二度の探索で簡単に攻略できる場所ではなさそうです。 |
予告篇 | 前篇 | 中篇 | 後篇(今いる所) | 最終篇 |
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