東京下町 樹木探索 | (ビヨウヤナギとナツツバキ) | [印刷用] |
ナツツバキ(夏椿)/東京都墨田区桜橋東詰付近 |
ヒメシャラ(姫沙羅)/東京都江戸川区平井 |
この時期に、清楚ですっきりとした白い花を咲かせるのはナツツバキです。このような可憐な花の原産地はもちろん日本、暑さや水涸(みずが)れに弱く、そして剪定にも強くない、まさにわび・さびを感じさせる日本の花です。この花が咲いていたのは墨田川桜橋の東岸、高速6号向島線の下でした。この花は、朝に咲いて夕方には萎(しぼ)んでしまう1日花であって正に一期一会(いちごいちえ)、今日出会えたのも何かの縁でゆっくり鑑賞したいと思います。 ナツツバキは別名でシャラノキ(娑羅樹)とも呼ばれ、仏教の聖樹であって日本では生育しない熱帯の木「沙羅双樹」(さらそうじゅ)に間違われてしまった事もありました。一方、広島・岡山あたりには「サルスベリ」と呼ぶ地域もあるようですが、サルスベルと間違えて太い枝を剪定したら、たちまち枯れてしまうので要注意です。 ナツツバキの妹分にあたる樹木がヒメシャラ(姫沙羅)です。葉っぱの葉脈のシワが深くて苦労している感じがお姉さん、花も葉も小ぶりで弱々しいのが妹です。 ヒメシャラは箱根の原野にたくさん自生しています。その中でもポーラ美術館のヒメシャラは圧巻で大木揃い、木肌の美しさも健康そのものです。 美術館の遊歩道の散策は無料で、貴重な原生林の森林浴が楽しめます。散歩の後は、美術館のレストラン「アレイ」のテラス席で、爽やかなそよ風に身を委(ゆだ)ねながら特性スイーツでも頂けば、5月の自然と一体になった感覚に捉(とら)われます。
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(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) 東京下町や沖縄を探訪する(「東京・下町自転車」)、「沖縄花だより」、「沖縄紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |