「東京・下町自転車」(東京桜だより) | 開花直前:後編 | |
国立劇場を後にして、皇居周辺の散策を続けます。すぐ横は三宅坂の交差点で、その角には最高裁判所が見えます。ここが中学校で習った三権分立の司法権の最高機関か!と思いながら先に進むと、立法権を司る国会議事堂の姿も見えてきました。国会で承認された法律に、憲法違反が無いかを判定するのが裁判所の大事な役割で、憲法9条の解釈を巡った議論には、毅然(きぜん)と対応してもらいたいと思います。ついでに云えば、国会議員の掲げたマニュフェスト違反を裁く権限も、与えたいものだと思います。 さらに進むと、その先に見えてきたのは警視庁と警察庁、この周辺には物騒(ぶっそう)な国家機関が並んでいます。「警察庁と警視庁の違いが良く分かりません。」という声をよく聞きますが、警視庁を、東京都警と云えば分かり易かったのではないかと思います。自分もよく理解できないのが警察と検察の関係、木村拓也演ずる「ヒーロー」で仕事の内容は分かったものの、なぜ警察と役目を分けているのか不思議です。検察で思い出すのは大物政治家の不正を暴く特捜部、こうして見ると日本は、法の支配が隅々まで及ぶ健全な法治国家だろうと思います。
ここら辺りまでやって来て、皇居周りを走る皇居ランナーが事のほか多い事に気がつきました。ウェアは皆さんカラフルで、もはやひとつのファッションです。走る方向は全員反時計周り、これは歩行者との危険を減らすために設けられたルールらしいです。ここでのランニングは大量の排ガスを吸うことになり、健康に警鐘を鳴らす専門家もいるようですが、そんなことを考えていたら東京には住めません。 この先で、皇居ランナーは次々と桜田門に吸い込まれていきます。桜田門といえば、大老・井伊直弼の暗殺現場として有名ですが、昭和天皇暗殺未遂事件も発生したことのある場所でした。桜田門を潜るととにかく広い皇居前広場です。そこから内堀通りを見てみれば、平川門から祝田橋交差点までの区間は歩行者天国ならぬ自転車天国になっていて、人も自動車の入場も規制されています。もはや皇居周辺は全体がスポーツセンターの様相を呈していました。 九段下からここまで歩いた距離はおよそ3.5km、皇居一周5kmからしてみれば可愛い距離ではありますが、もはや足腰の限界です。近くには楠正成の銅像があり休憩施設もある筈です。この楠公レストハウスは皇居参観の団体客用に作られたものと思われますが、試しに中に入ってみれば、内装はお洒落で接客もなかなか丁寧なものでした。
|
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) 東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」、「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |